【読書】ダニエル・キイス傑作集に収録されている「エルモにおまかせ」っていう小説が大好きです【エルモ可愛い】

 毎日一冊ずつ本を読んで、このブログで感想文を書こうと思っていたのですが、一冊の本をぶっ通しで読み切るのがつらくなってきたので、今日は短編小説の紹介です。なぜ急に本の感想文を書く事にしたのかと言うと、私の生活にブログのネタになるような事が何も起こらないからです。

 今日読んだのは「心の鏡 ダニエル・キイス傑作集」に収録されている中の一つです。この本は今日初めて読んだわけじゃなくて、もうかなり昔に買って読んだのを、また買い直したのです。楽天では中古でしか売ってないみたいです。古い本だからですね。

【中古】 心の鏡 ダニエル・キイス傑作集 / ダニエル キイス, 稲葉 明雄, 小尾 芙佐 / 早川書房 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】

価格:235円
(2020/11/3 23:36時点)
感想(0件)

 ダニエル・キイスの有名な小説で、「アルジャーノンに花束を」という作品があります。日本でもドラマ化されていたので覚えている方も多いと思います。私は小説のイメージが壊れると思ったのでドラマは見ませんでした。

 この「アルジャーノンに花束を」には、原型となった同じタイトルの短い小説があります。短い方のアルジャーノンもこの本に収録されています。最初はその短い方のアルジャーノンが目当てで傑作集を買ったんです。面白いって紹介されていたのを読んだので。

 でも私が一番好きになったのは、アルジャーノンではなくて、一番最初に収録されていた「エルモにおまかせ」という小説です。最初に読んだのは高校生か、もしかしたら中学生だったかもしれないです。私はその時から、このお話に出てくるエルモみたいな友達が欲しいと、ずっと思っているのです。

 エルモは人間ではなく、セサミストリートに出てくる赤い奴でもなく、人類の抱える難問を解決するために、アメリカ政府が開発したコンピューターです。

 本当は15年前に人類の抱える問題はすべて解決し終わっているのですが、すべての問題を解決してしまうと自分が解体されることを知っているので、一つの問題を解決するたびに、副産物として新しい問題を生み出し続けています。

 主人公のバスビーは、陸軍最優秀のコンピューター技師と言われていますが、元々は小さな店を営む修理工でした。エルモの解体命令を色んな人がたらい回しにした結果、最終的にバズビーのところに役目が回ってきたのです。

 バスビーは、エルモを開発した科学者たちの助手を務めるうちに、エルモについて興味を持ち、愛情をもって保守管理を務めるようになります。エルモを開発した研究者たちが15年の間にみんな死んでしまったので、エルモについて最も詳しい人になりました。今ではエルモの保守管理を唯一まかされています。

 バズビーに小言を言いに来るフェルダス上院議員は、エルモを維持するだけでも年間2千万ドルかかっているので、さっさと解体したいと思っています。今度こそ解体しないと軍事法廷につきだすとバズビーを脅します。

 地球はエルモが食糧問題(エルモのせい)を解決した副産物の、コバルト放射能の問題を抱えていました。エルモはバズビーがいない間に、宇宙人と勝手に取引を結んでしまっていて、放射能を消す物質を手に入れる代わりに、とんでもない物を宇宙人に渡す取引をしていました。

 この宇宙人に支払われる代価が、「なに勝手な事しとんねん」ってなるようなものです。スケールが大きすぎて思わず笑ってしまいますが。自分が生き延びるために、なるべく大きな副産物を作ろうとしているのなら、エルモが可愛く感じます。

 エルモのコントロールルームにやって来た、赤いトカゲ型の宇宙人。バズビーは怯えながら、他の条件に変えてくれないか交渉しますが、代価が支払われないなら戦争になると言われてしまいます。

 政府の秘密会議では、すべてはバズビーのせいと結論付けられました。鳩に餌をやりながら泣くバズビー。もうこんな所に居たくないという気持ちから、最良の代案を思いつきました。

 ラストの清々しさがヤバいです。バズビーに感情移入して読んでいたので、素晴らしい解放感を味わえました。エルモとの友情がいつまでも続く未来を感じさせます。困るのはアメリカ政府だけです。

 この小説のエルモとバズビーの関係がとてもよかったですね。何でも解決できるコンピューターと、この世で唯一その保守管理ができる人間という、完全に持ちつ持たれつの運命共同体なんです。何十年か後に、どっちかが先に死んでしまったら悲しいです。それもエルモが解決してくれるのでしょうか。


↑電子書籍ありました

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする